店主日誌
2026/04/03 15:51
このまちに初めて降り立った日、
いちばん最初に抱いた感覚は「音少なっ」ということだった。
線路の真横の道でさえ、
電車がゆっくりと走り去ったあとは音が何もなく、
(4両しかないせいか、走行音自体もそこまで轟音じゃない)
鳥の鳴き声が空に響き渡っている。
その鳥の声さえも当時の私にはどこか現実味がなくて、
駅のスピーカーから流れている環境音の類だと思った。
以前住んでいた場所もそれほど都会なわけではなかったけれど、
音環境的にしんどい部分はたまにあって、それなりに苦しんだ経験がある。
ありがたいことに今住む場所には
ちょうどいいくらいの自然があり、鳥たちがそばで暮らしている。
毎年秋になるとやってくるジョウビタキ、
蝋梅を食べにくるヒヨドリ、
春になればホーホケキョの練習に励むウグイス、
遠くの木にいても音量で存在を認識できるガビチョウ、
勝手に人の敷地で家族連れになっているカモ、
闇の中で猫みたいに鳴くフクロウ、
ちょこまかしながらこちらの様子を伺っているハクセキレイ、
私がこの地区の担当ですという顔をしてお決まりの電柱でぽっぽするハト、
掃除したてのベランダにお土産を落としていくムクドリ…
姿や行動が見えるからこそ、何の鳥なのか興味がわいて調べる。
鳥の方もたまに私たちの庭仕事を見学に来たりもするし、
こっちが見ていることを向こうも認識していたりする。
つかずはなれずの間柄ではあるけれど、
鳥たちも私たちの立派なご近所さんである。
