店主日誌

2025/09/02 10:33

こんにちは、褻monoです。

茨城県笠間市に陶房を構える田山健司さんのうつわを入荷しました。

買い付けに伺ったのは6月下旬。
立っているだけで汗が滲むような暑さ。
快晴の天気の中、田山陶房さんにお邪魔しました。
我々が訪ねた頃、
ちょうど田山さんが窯から糠白のうつわを取り出す作業をしている最中でした。

机に並ぶうつわたちからは
甲高い「キン、キン」とした音が鳴り、
今まさに貫入が刻まれている声を聴くことができました。

田山さんが作業場で削りの作業に勤しむ中、
陶房に並ぶ作品や、窯から出たばかりの作品の中からじっくりと選ばせて頂きました。

展示のご案内と一緒に褻monoのポストカードも置いて頂いていました。嬉しい!

これまでも褻monoに並べさせて頂いていた
温かな風合いが魅力の「粉引」、
薪窯焼成による自然釉が渋く格好いい「焼締」に加え、
今回は田山さんが新たに探究されている「糠白(ぬかしろ)釉」のうつわもセレクトさせて頂きました。

粉引のうつわ
焼締のうつわ
糠白のうつわ
笠間の原土を使い、灯油窯で仕上げられる「糠白」のうつわ。
青白い景色の中に、鉄分の褐色がゆらりと浮かぶ味わい深さが魅力です。

また、うつわを選んだあとは
田山さんのご厚意で笠間焼発祥の地でもある「久野陶園」もご案内頂きました。
現在は14代目の伊藤 慶子さんをはじめ、田山さんを含む有志の方々により
窯や建物の修復を行いながら、
笠間焼の歴史と新しい魅力を伝えていく場所として活動・運営に励まれています。

今ではとても珍しい、動力式のろくろ。
ベルトがろくろにつながっており、動力によって回る仕組みだそうです。
笠間の原土に含まれる「かなぐされ」と呼ばれる鉄分を含んだ原料。
田山さんの「糠白」のうつわにもこのかなぐされが使われています。
久野陶園さんの敷地には笠間の原土が積まれていました。
その日に偶然シェアアトリエで作陶されていた
若手作家さんにもご挨拶をさせて頂きました。

色々なお話を伺いつつ、
笠間の方々がやきものの歴史を今へつないでいる地で、
とても貴重な時間を過ごさせて頂きました。

久野陶園さんにはギャラリースペースもあります。
うつわをお目当てに笠間に来たのなら
立ち寄って損はない場所ですのでぜひどうぞ。

私もギャラリーで小さなたぬきと小壺を選ばせて頂きましたよ…!
そんなこんなで笠間より持ち帰ったうつわたち。
9月の実店舗OPEN日より店頭に並びます。
順次オンラインでも販売予定ですので、
今しばらくお待ちください。

ぜひお気に入りの子を見つけて頂ければ幸いです。